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『Musik aus Wien ~ウィーンをめぐる物語~』

■月刊「レコード芸術」誌2023年3月号の連載『ピアノ名曲解体新書』 ~シューマン ウィーンの謝肉祭の道化~にて 「邦人の枠を超えた、わが国が誇るべき名演奏』盤として選ばれました。
■レコード芸術」誌2011年6月号 準特選盤



~川井綾子が並々ならぬ実力、とりわけ音楽性において高いものを持つピアニストであることは、2003年に出たデビューCDからも察せられたと思うが、この2作目は彼女のさらなる進境、成熟ぶりを印象づけるものとして特筆に値しよう。 ハイドンの、細やかな情緒を湛えた楽曲を、じつにふさわしい心やりと共に表現、ベートーヴェンもじっくりと鍵盤に想念を託しての弾きぶり、といっても持って回ったような表情付けはなく、純粋に音楽的な感動のさざ波だけが心に映る。ブラームスも晩年の深い詩興を余すところなく捉え、シューマンにしても音符のうらに秘められたものまでをつぶさに描き得た、忘れがたい一枚だ。 濱田 滋郎


~ハイドンは、ウィーン式アクションの通じる軽やかなタッチが印象的で会場の空間にスタインウェイの音がすっと飛んでいく様が目に見えるようでとても気持ちが良い。「月光」の1楽章は旋律や和音をそっと大事な物を扱うように置いていく、その感じ方が素敵だ。2楽章は休符やフレーズ終わりの余韻の扱いが巧みで効果的。ブラームスでもこうした余韻の扱いのうまさが光る。同時にとてもスケールが大きい。「ロマンス」や最後の「間奏曲」のカラフルな色彩は出色だ。シューマンは1曲目のワルツの歯切れの良いリズムが快くその後の楽曲も良く整理された音色と表現が聴かれる。最近の邦人ピアニストの水準の高さには驚くばかりだ。 このCDの売り上げの一部を東日本震災の復興のため日本赤十字社に寄付させて頂きます。


川井綾子『Musik aus Wien~ウィーンをめぐる物語~』 税込2,800円

ハイドン :Andante con Variazioni f-moll Hob.XVII-6
01-アンダンテと変奏曲 ヘ短調 Hob.XVII-6 (13:41)


ベートーベン :Klaviersonate Nr.14 Op.27-2 "Mondshein-Sonate"
ピアノソナタ第14番 嬰ハ短調 作品27-2「月光」
02-Adagio sostenuto 第1楽章 アダージョ・ソステヌート (6:00)
03-Allegretto 第2楽章 アレグレット (2:10)
04-Presto agitato 第3楽章 ブレスト・アジタート (8:01)
ブラームス : Sechs Klavierstücke Op.118
6つのピアノ小品 作品118
05-Intermezzo a-moll 間奏曲 イ短調 (2:05)

06-Intermezzo A-Dur 間奏曲 イ長調 (5:55)
07-Ballade g-moll バラード ト短調 (3:43)
08-Intermezzo f-moll 間奏曲 ヘ短調 (2:48)
09-Romanze F-Dur  ロマンス ヘ長調 (4:05)
10-Intermezzo es-moll 間奏曲 変ホ短調 (5:29)
シューマン :Faschingsschwank aus Wien Op.26
ウィーンの謝肉祭の道化 作品26
11-Allegro B-Dur 第1楽章 アレグロ 変ロ長調 (9:31)

12-Romanze g-moll 第2楽章 ロマンス ト短調 (2:41)
13-Scherzino B-Dur 第3楽章 スケルツィーノ 変ロ長調 (2:11)
14-Intermezzo es-moll 第4楽章 間奏曲 変ホ短調 (2:21)
15-Finale B-Dur 終曲 変ロ長調 (4:19)
Total Time 75:19



バッハ、モーツァルト、ショパン、シューマンの幻想曲を集めたファーストアルバム
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